お客様事例

株式会社 構造計画研究所様 導入事例

地震時に建物の損傷を評価して立入可否を判定

白山工業の「IoT地震観測サービス」とAPI連携し、災害リスク評価コンサルティングの新サービスが誕生

システムが導入された建物
  • お客様プロフィール

  • 株式会社 構造計画研究所様
  • 本社:東京都中野区
  • 設立:1959年5月6日
  • 資本金:1,010百万円
  • 業種:情報・通信業
  • 建物の構造設計、人工構築物を取り巻く自然現象(地震、津波、風など)の解析やシミュレーション、情報通信分野でのソフトウェア開発、製造分野へのCAD/CAEのソフトウェア販売やカスタマイズ、そして人間の意思決定支援分野でのコンサルティングなどを行っています。
  • 目的

    地震時における工場建物の損傷評価と
    立入可否判定システムの構築

  • カテゴリ

    IoT地震観測サービス

  • 関連製品

    IoT地震観測サービス

  • 提供範囲

    機器一式、設置支援、調整、
    サービス提供

背景と課題

構造計画研究所では、工場建物の補強提案を2014年から行っていますが、これに際し、日常的に起こる地震の計測結果をフィードバックして、事前のシミュレーション結果の正確性を検証したいとエンドユーザー様からご要望いただくことがありました。そのため、自社の解析技術と組み合わせが可能な地震計と、一緒にシステム構築を行うパートナーを探していました。

提供システム

建物被害早期損傷把握システム概要

白山工業は、IoT地震観測サービスに用いる地震計「PL200」、計測データをクラウドで管理・表示するWEBサービス「Geonavi」をAPI連携で提供しました。構造計画研究所が構築するシステムは、5つの工場建物の各上層部と、敷地の地表面に加速度センサーを設置して常時地震計測し、耐震診断時のシミュレーション結果を検証するだけでなく、地震が発生した場合には建物の損傷度合いを評価し、避難直後に立ち入ることが可能か判定し、ユーザーにメールで通知するクラウドシステムです。本案件は白山工業「IoT地震観測サービス」のAPI連携を利用した初のサービス化事例です。

メール例地震が発生した後に、建物の損傷度合いの評価と立ち入ることが可能かどうかの判定をユーザーに通知するメール文の例

画面例建物の損傷度合いの評価に用いる層間変形角が今回の地震でどの程度であったかを示す評価結果画面の例
※各階の間(層間)の水平方向の変位をその層の階高で割った値

期待される効果

[システム構築者:構造計画研究所]
  • ・事前対策のソリューションだけでなく、発災時や事後の対応も含めた総合的なソリューションを提供できる
  • ・API連携で地震計測技術を取り入れ、独自の解析技術を活かした被災度判定ができる
  • ・事前の振動解析結果を実測データに照らして客観的に評価すると同時に、以後の解析精度も向上させることができる
地震発生前 地震発生時・直後 地震発生後

本システム導入前 事前対策の
ソリューションのみ

  • 任意地震動波形による構造の動的シミュレーションと耐震補強の提案

本システム導入後 事前対策及び発災時と
事後対応のソリューション

  • 任意地震動波形による構造の動的シミュレーションと耐震補強の提案
  • 地震計測(常時)
  • 地震計測データの取得(本震)
  • 建物の損傷評価と立入可否の判定と通知
  • シミュレーション結果への実測値入力による耐震補強の効果検証と損傷箇所の推定
  • 地震計測データの取得(余震)
  • 効果検証に基づく耐震補強の改善提案
  • 実被害をフィードバックすることでシミュレーションの精度向上
[システム利用者]
  • ・大地震時には避難直後に工場建物内へ立入可能か客観的判断ができ、BCPを効率的・効果的に運用できる
  • ・建物の損傷を確認する時間が短縮され、事業継続の判断を早めることができる
  • ・耐震補強時の振動解析結果を実測データに照らして、補強工事の効果を客観的に評価し改善できる

ご担当者様の声

構造計画研究所の得意な解析技術と
白山工業の得意な地震観測サービスを
組み合わせてベストな提案ができた!
エンドユーザーのお客様の導入目的は何ですか?

検討当初は、耐震補強時に行ったシミュレーションが正しいかを計測結果と比較して検証したいという目的でしたが、せっかく計測するならばその結果を活かしたいということで、地震直後の工場建物への立入可否判断に利用するという目的も加わりました。

白山工業のIoT地震観測サービスに決めた理由は何ですか?

お客様のご要望を聞いたあと、より安価に提供するために、どのような商品と組み合わせるか調査を行いました。その中で、白山工業のIoT地震観測サービスは比較的安価である上に、APIで計測結果を取得できる仕組みが整っていたので、自社の解析技術と組み合わせたシステムを構築しやすいということで選定しました。
当社の得意な解析技術と白山工業の得意な地震観測技術を組み合わせてベストな提案ができたと思います。

サービスの連携、構築を進めていく中で、どのような苦労がありましたか?

一般的なオフィスビルやマンションと異なり、工場では動作環境(温度や粉じん等)が厳しい上、地震計が設置できる場所に制約があったり、工場のオペレーションを邪魔しないようにしなければならなかったりと、クリアしなければならない課題が多数ありました。そのため、関係者で何度も協議を重ね、システムの仕様を形作りました。

今後の展望をお聞かせください!

他のお客様にも、耐震診断のメニューとセットにして今回と同様なシステムを提案していきたいと考えています。耐震診断や補強工事はコストとして敬遠されますが、地震が起こるたびに活用できるシステムとなれば、防災上有効な投資だと前向きに捉えてもらうことができます。建物付加価値アップのメニューの一つとして、将来的には新築時にも提案していきたいと考えています。白山工業と協力して、今後もお客様に新しい価値を提供していければと思っています!

  • ご担当者様の写真

    ご担当者 古川様、正月様

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