不織布マスク内の空気を整流し、
息苦しさを軽減するマスク補助器具

HEROインナーマスク

HEROインナーマスク外観
  • 呼吸・会話が
    ラク
  • メガネのくもり
    防止
  • 化粧くずれ
    防止
  • コンパクトに
    収納

感染予防効果の高い、不織布マスクの正しい着用のために

新型コロナウイルス感染症予防の観点から、布マスクやウレタン製マスクよりも「不織布マスク」を隙間なく正しく着用することが、極めて有効であると言われています。しかしながら、不織布マスクはフィルター性能が高いため、息苦しさを感じやすいマスクです。マスク本体を口や肌から浮かすことで不快感を取り除く補助具は既に多数製品化されていますが、マスク内に吐いた息が溜まり、汚れた空気を再び吸うことになるという根本的な課題は解決されてきませんでした。そのため、息苦しさのあまり不織布マスクをずらして着用する方も多く見られます。
HERO Lab.ではこの課題を解決するため、不織布マスクを正しく着用しても息苦しくならない「HEROインナーマスク」の開発に着手しました。

不織布マスク

人の呼吸の特性を活かした整流構造

図1のように通常、人の呼吸において吸気は鼻孔(鼻の穴)のごく周辺の静止した空気がゆっくりと吸い込まれ、呼気は鼻孔からの噴流として下方へ勢いよく飛ばされるため、吸気と呼気が自然と分離されます。 しかし、マスクを着用すると、マスク内に呼気が充満し、その空気を再び吸い込むため特有の不快感が生じてしまいます。
HEROインナーマスクを使用すると「仕切り板」によってマスク内の空間が上下に2分割されるため、吸気と呼気を分離し、人本来の呼吸を補助することができます。吸気時にはマスク上側の空間から新鮮な空気が入り、呼気時には鼻孔から噴射された空気が下側のフィルター(不織布マスク)を通して排気されるようになります。また、呼気が仕切り板によって上へ逆流しないため、眼鏡も曇りにくくなります。

呼吸往復流

図1:呼吸往復流をスーパーコンピューターで可視化

出典:平成21年度RICC利用報告書 世良 俊博「ヒト上気道の気流計算」

整流効果の仕組み

吸気 呼気

HEROインナーマスクの「仕切り板」が、マスク内の空間を上下に仕切り、空気を上から下に流れやすくする(整流効果)。マスク下の鼻孔周りに呼気が留まらず常に新鮮な空気が外から入る構造。

サーモグラフィーカメラによる整流効果の検証

温度の違いを色で表すサーモグラフィーカメラで整流効果を検証。左側のHEROインナーマスクなしのマスクでは呼気による熱がこもり、温度が上昇したことを示す赤色になった。温度の変化がマスク全体に広がっているため、鼻から吐いた息がマスク全体に充満していることが分かる。
一方、右側のHEROインナーマスクを装着したマスクでは、呼気がマスク内下側の空間にスムースに排気され、全体の温度上昇が抑えられていることが分かる。そして、上側の空間へは呼気の逆流が抑えられているため、温度が低いことを示す青色のままになっている。

  • 実験の概要

  • 撮影環境:室温0℃(環境試験用恒温設備内で撮影)
  • 使用マスク:不織布立体マスク(KUCHIRAKU MASK/株式会社医食同源ドットコム)
  • 使用機材:Apiste社製サーモグラフィーカメラ FSV-1200-L16 【仕様】測定精度:±2℃/ 有効画素数:320x240/ 計測波長(㎛):8~14)
    【測定温度範囲設定】8℃~25℃
不織布立体マスク装着の様子

不織布立体マスク装着の様子

特許出願中

  • ■ 国際出願提出済 PCT/JP2020/033154 マスク補助具およびこれを備えるマスク
  • ■ 特願2020-184590 逆流防止部材を備えるマスク補助具

ロボット開発の第一人者
東京工業大学の広瀬名誉教授が開発

広瀬茂男

極限環境ロボット研究所
[HERO Lab.]
Hyper-Environmental Robots Laboratory
所長 広瀬 茂男

東京⼯業⼤学名誉教授。東京工業大学機械宇宙システム専攻卓越教授、スーパーメカノシステム創造開発センター⻑などを歴任。ヘビ型、歩行型、形状可変型など多様なロボットと機械要素の創造開発、およびそれらの災害救助作業、地雷探知除去作業などへの適用を実施。総計1000以上の学術論文と退職時には東京工業大学教官中最多数の特許を出願。学内だけでなく大学の枠を超えた創造性育成教育にも尽力。2020年6月、当社内にHERO Lab.を設立し所長に就任。

1999年(第1回)IEEE Pioneer in Robotics and Automation Award、2001年⽂部科学⼤⾂賞、2006年紫綬褒章、2009年エンゲルバーガー賞、2013年日本機械学会技術功労賞、2017年IEEE Inaba Technical Award for Innovation Leading to Production、2021年瑞宝中綬章などを受賞。

開発ストーリー

2020年夏、マスクを着用して自転車を漕いでいる時に、この暑くて息苦しい不織布マスクの悩みを解決できないかと考えたことがきっかけで「HEROインナーマスク」の開発に着手しました。マスクを口元から浮かす商品はたくさん市販されていますが、どれも長く装着していると息苦しくなったり、そもそもマスクによるフィルター効果が利かなくなってしまうものも多く、正しくマスクを装着した状態でも呼吸が楽になるマスク補助具が必要だと思いました。

息苦しさを解消するには、マスク内の空気の流れを上から下に流れるようにすることが重要だと考え、電動ファンや鼻腔からの呼気で回転する小型タービン、流れを一方向に規制する「逆止弁」など、実用性や息苦しさをできる限り単純な機構で解決しようと数多くの試作を行いました。そして、総計100個以上の試作モデルを装着して運動する実験を繰り返した結果、「逆止弁は不要で、鼻腔下の「仕切り板」にただの孔を設けるだけでいい」という意外な解決法が見つかりました。

鼻腔から出た呼気は運動エネルギーを持っていて仕切り板の孔を容易に通過して下側に移動しますが、吸気は、仕切り板下側から上がるより先に鼻腔周りで静止している空気から吸引されるため、孔だけでも逆止弁的効果が生まれるという原理です。つまり、孔から少し離れたノズル(鼻腔)からの空気の出し入れを逆止弁的に整流するという特殊な構造がこれを可能にしました。

試作品 HEROインナーマスクの試作品

開発者コラム

なぜ、人は鼻から空気を吸って鼻から空気を出すのか。
なぜ鼻の穴は蓄膿症などで鼻が詰まって困るのに細いのか。

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コラムを読む

HEROインナーマスクの装着方法

ご利用者アンケート調査

※自社調べ 261名のアンケート調査結果(2021年6月20日~8月20日実施)

  • 呼吸のしやすさ効果があった86%
  • メガネの曇り止め効果効果があった83%
  • マスクの不快さ軽減効果があった73%

ご利用者からのコメント

  • 医師、大学教授 60代 大阪府在住

    HEROインナーマスクを10日ほど愛用しております。随所に工夫を施してあり、この梅雨の蒸し暑い時期にとても重宝しています。初めは着用の仕方が説明書だけではピンと来ませんでしたが、色々試してみるうちにうまく着用できるようになりました。マスクの上の部分を鼻に密着させておくと、鼻から口の部分の呼気が顎側に逃げて、メガネの曇りがかなり抑えられます。また、口の周りに熱気がこもることなく、湿気のクリアランスも良いので、マスクが湿って不快な思いをすることが無くなります。できれば顎側の下リングをもう少し大きくして、口周りのスペースを作っていただくと空気の流れが良くなるように思います。あまり大きくするとクシャミをすると飛沫を飛ばしてしまう危険があるかとは思いますが。なお、感染予防の第一原則は手洗いと手指消毒ですので、口鼻に接触するHEROインナーマスクを連続使用する場合には毎日洗浄するあるいは消毒薬で拭う必要があります。この点は感染症の専門家にも意見を聞かれた方が良いかと思います。できれば使い捨てが良いですが、コストと資源の問題で難しいかとは思います。

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