お客様事例

株式会社 地球科学総合研究所様 導入事例

商用電源が無い場所での長期AE観測システム

高速サンプリングとIoTデバイスに対応した省電力データロガーシステムを実現

システム設置状況
  • お客様プロフィール

  • 株式会社 地球科学総合研究所様
  • 本社:東京都文京区
  • 事業内容:物理探査、地質調査、測量
  • 目的

    AE観測、マイクロサイスミック観測

  • カテゴリ

    計測機器

  • 関連製品

    高機能・低消費電力テレメータ

  • 提供範囲

    ファームウェア拡張、IoTデバイス導入支援

背景と課題

商用電源やブロードバンドが利用できない人里離れた環境で、AE※の長期観測を可能にするため、高速サンプリングとIoTデバイスに対応した省電力データロガーで、現地収録と定期的な状態監視ができることが求められました。

※AE(アコースティックエミッション):石油・天然ガス掘削や地熱発電の水圧破砕法で岩石に亀裂が生じたり、材料や構造体が変形や損傷したりする際、高い周波数でごく微小な弾性波を放出する現象のこと。

提供製品と実現されたシステム

高機能・低消費電力テレメータ LT-7700

LT-7700

課題を解決できるデータロガーとして、LT-7700が選ばれました。通常、LT-7700はテレメータモードで利用されることが多い製品ですが、今回はロガーモードによる省電力機能が役立ちます。AEは高周波ながら微小な振動現象ですが、LT-7700はセンサの信号を、最高1000Hzのサンプリングレートで連続記録として長期間収録することが可能です。地球科学総合研究所様からの要望に対し、ユーザースクリプトを実行可能にするファームウェア拡張とIoTデバイスの導入支援サービスを提供しました。観測点のシステムと死活監視のデザインは地球科学総合研究所様が自ら行い、構想検討からわずか1ヶ月で下記のシステムが構築されました。

  • ロガー&SORACOM SIM

    LT-7700(ロガーモード)
    LTE USBドングル+ SORACOM SIM

  • SORACOM

    モバイルデータ通信&
    SORACOM + Lagoon(ダッシュボード)

観測システム 高感度地震計、酸化鉄リチウムイオンバッテリー、LT-7700、IoTデバイス
死活監視
  • ・1日に数回の頻度でLT-7700の上で、地科研が作成したスクリプトが実行される
  • ・スクリプトはLT-7700の状態を確認し、IoTデバイスでクラウドに送信する
  • ・クラウドに収集・蓄積されたデータを、グラフや数値のダッシュボードで監視する
運用 頻度:1ヶ月おき
作業内容:データが収録されたLT-7700のSDカードとバッテリーを交換
死活監視で
把握できたこと
  • LT-7700の安定稼働
  • SDカードへのデータ収録、GNSS衛星の捕捉状況
  • 電源電圧の推移
  • 装置内温度、気圧の推移
死活監視で
把握できなかったこと
  • 野生動物による機器異常
    地震計の横転、収納ケースの移動

    →将来拡張としてデータの統計情報を監視項目に盛り込む要望あり

本システムに関する
お問い合わせ

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