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はくさん博士の基礎講座

地震とは

1.地震と地震動

普通「地震」と言えば、地面が急に揺れて、しばらく振動が続き、次第に収まる現象を思い出します。専門家はこの地面の振動を生じさせる現象自体を地震といい、体感する揺れのことを「地震動」と言って区別をします。この場合、「地震」は地球内部で発生したなにか急激な現象のことを言い、その「地震」によって発生する波のことを「地震波」、地震波が地表まで伝わってゆれれば「地震動」となります。

この講座では地震と地震動は区別しますが、普段の生活などでは言葉の定義をあまり厳密に考える必要はなく、慣用的に使えば良いと思います。


次に、地震の用語を簡単に説明します。

震源,震央,震源距離,震央距離,震源深さ

震源は地震が始まった地点のことです。
震源の直上の地表の地点を震央と言います。
観測点から震源までの距離を震源距離、観測点から震央までの距離を震央距離と言います。
震源深さは震央から震源までの距離のことです。


2.世界の地震活動

右の図は1998年1年間に世界で発生した地震の震源の分布です。地震が発生している場所は非常に限られていることがわかります。日本は地震の多発地帯で、地図上では地震のマークで埋め尽くされています。

この地図をみると、地球表面は震源によっていくつかの大きい領域に分けられることがわかります。このそれぞれの領域をプレートといい、現在プレートが各々様々な方向に動いていることがわかっています。言いかえますと、ほとんどの地震はプレートどうしの境界で発生しています。

地震の位置 参考文献/出典http://earthquake.usgs.gov/regional/neic/neic_bulletins.php 1998年1年間でUSGSのNational Earthquake Information Center (NEIC)で震源が求められた約20000個の地震の位置。

プレート

参考文献/出典:THE地震展(資料),国立科学博物館 (2003年) プレートは厚さ100km程度の岩盤で、さまざまな方向に動いている。世界の地震のほとんどはプレート境界で発生している。

(余談)プレートの運動
間接的証拠
  • ・アフリカと南アメリカの形
  • ・プレート発生部(中央海嶺)での地磁気の縞模様
  • ・海底の岩石の年代分布
直接的証拠

VLBI(Very Long Baseline Interferometry)観測

海底の年代
参考文献/出典:齋藤和男 :「海底の年代」
http://ksgeo.kj.yamagata-u.ac.jp/~kazsan/class/chronology/seabed-age.html
中央海嶺とは、大洋底のほぼ中央に存在する、大規模な海底山脈のことです。たとえば、大西洋の中央部に南北に縦断している海底山脈は大西洋中央海嶺といい、上の図では、大西洋のちょうど中間に南北に走っている赤いラインです。なお、太平洋の海嶺は太平洋の東部にあり、東太平洋海膨と呼ばれています。

プレート運動の証拠には様々なものがあります。間接的証拠としては、プレートテクトニクスという考え方の発端となった、アフリカ西岸と南アメリカ東岸の形が上げられます。その他間接的にプレートが運動している証拠としては、上図に示すように、海底の岩石の年代が中央海嶺から遠ざかるにつれて古くなっていくことや、中央海嶺付近の岩石に記録された地磁気の縞模様が中央海嶺を中心に対称形をしていることがあげられます。
プレートが動いている直接的証拠としては、VLBI観測によるプレートの絶対運動の実測があります。詳しくは講座末尾の参考資料を参照してください。


(余談)大きな地震や被害地震

被害地震については、理科年表(丸善)や地震の事典(朝倉書店)に詳しいリストが載っています。WEB上では、建築研究所のサイトに検索することができるページがあります。

http://iisee.kenken.go.jp/utsu/

この資料によると、1990年から2004年までで、世界で死者が1人以上出た地震は331、そのうち死者が100以上あった地震は51あります。
1人以上死者が出た地震の数が多い国は中国で45回、2位はインドネシアで32回、3位イラン26回、4位トルコ22回、5位アフガニスタン18回となっています。ちなみに日本は8回です。
100人以上死者が出た地震は、イラン、インドネシア、トルコが6回で一番多く、また、日本は2回です。(1993年北海道南西沖地震、1995年兵庫県南部地震)

ちなみに、同じく1990年から2004年までに発生したM6.5以上の地震は223個、そのうち日本では33個発生しており、世界で一番多くなっています。実に世界で発生したM6.5以上の地震の約2割が日本で発生していることになります。ちなみに第2位はインドネシアで32個、3位はアメリカで12個となっています。 日本は大きな地震が多いわりに、死者がでる地震は少ないといえます。


3.日本付近の地震活動

プレート状態
参考文献/出典:瀬野教授の公開講義資料,東大地震研
http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/KOHO/KOHO/backnumber/14/14-1.html

日本付近には、右図にあるように、太平洋プレート、フィリピン海プレート、ユーラシアプレート、オホーツクプレートの4つのプレートがあります。そのうち、太平洋プレートとオホーツクプレートの境界には千島海溝、日本海溝があり、太平洋プレートとフィリピン海プレートの境界には伊豆小笠原海溝があり、フィリピン海プレートとユーラシアプレートの間には駿河トラフ(細長い海底盆地)、南海トラフがあります。

下図にあるように、日本付近では海溝に沿って地震の分布が見られ、海溝から遠ざかるにつれて震源の位置が深くなっていきます。(昔は東北日本が乗っているプレートは北米プレートと言われていましたが、最近はカムチャツカ半島より南は独立したオホーツクプレートとする考え方もあります。)

震源の深さ
日本付近の震源の深さ分布図
参考文献/出典:地震がわかる! Q&A,地震調査研究推進本部
http://www.jishin.go.jp/main/pamphlet/wakaru_qa/index.htm



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